視野が欠けても気づかない?緑内障の進行と日常生活の影響
緑内障は視野欠損が徐々に進行し、自覚しにくい病気です。本記事では緑内障の特徴や進行過程、日常生活への具体的な影響と対策を詳しく解説します。
視野が欠けても気づかない?緑内障の進行と日常生活の影響
緑内障は「視野が徐々に狭くなる病気」として知られていますが、その進行は非常にゆっくりであるため、自覚症状が出にくいのが特徴です。特に視野の欠損に気づかないまま症状が進み、気づいたときにはかなり進行しているケースが少なくありません。本記事では、緑内障の進行過程とそのメカニズム、視野欠損が日常生活にどのように影響するのかを具体的に解説し、早期発見と生活上の工夫についても触れていきます。
目次
- 緑内障とは?その特徴と原因
- 視野欠損が気づきにくい理由
- 緑内障が進行すると日常生活にどう影響するか
- 体験談:視野欠損に気づかずに進行したケース
- 早期発見のためにできること
- 緑内障患者の日常生活での工夫と対策
- まとめ
緑内障とはその特徴と原因
緑内障は、目の奥にある視神経が徐々に障害されることで、視野が狭くなる病気です。日本では40歳以上の成人の約5%が罹患しているとされ、失明原因の上位に位置しています。
緑内障の主な種類
- 原発開放隅角緑内障:ゆっくりと進行し、自覚症状がほとんどありません。日本人に多いタイプです。
- 原発閉塞隅角緑内障:眼圧が急激に上昇し、急性発作を起こすことがあります。激しい眼痛や視力低下を伴います。
- 正常眼圧緑内障:眼圧は正常範囲内でも視神経が障害されるタイプで、日本人に多く見られます。
緑内障の原因
緑内障の主な原因は眼圧の上昇ですが、正常眼圧緑内障のように眼圧が正常でも視神経が障害される場合もあります。加齢、遺伝、血流障害、生活習慣などが関与すると考えられています。
視野欠損が気づきにくい理由
緑内障の大きな問題は、視野の欠損が自覚症状として現れにくいことです。
両目の視野で補い合う
人間は両目で見ることで広い視野を確保しています。片目の視野に欠損があっても、もう片方の目が補うため、気づきにくいのです。
視野欠損の進行が極めて緩やか
緑内障の視野欠損は通常、ゆっくり時間をかけて進行します。日々の生活の中で少しずつ視野が狭まるため、本人が変化を感じにくいのです。
中心視野は比較的後期まで保たれる
緑内障ではまず周辺視野が狭くなり、中心視野は比較的最後まで保たれます。そのため、視力検査での視力低下が現れにくく、見えにくさを自覚しにくいのです。
緑内障が進行すると日常生活にどう影響するか
視野欠損があると、日常生活でさまざまな支障が生じます。ここでは代表的な影響を具体的に紹介します。
移動や歩行の障害
- 視野が狭いため、歩行中に障害物や段差を見落とすことがあります。
- 横から来る自転車や車に気づきにくく、交通事故のリスクが上がります。
車の運転への影響
- 視野が欠けると、安全に運転するのが難しくなります。
- 特に側方視野が欠損すると、車線変更や交差点での注意が困難に。
家庭内での危険
- 台所や浴室などで手元は見えても、周囲の状況把握が難しく転倒や火傷の危険が増します。
読書や仕事の支障
- 視野欠損により文字の一部が見えにくくなるため、読書やパソコン作業が疲れやすくなります。
- 注意力の低下や疲労感が増すことも。
体験談:視野欠損に気づかずに進行したケース
70代男性Aさんは、数年前に健康診断で緑内障を指摘されましたが、「視力は問題ない」と軽視していました。ある日、歩行中に頻繁につまずくようになり、視野検査を受けたところ、すでにかなりの視野欠損が進行していることが判明。
Aさんは「見えていない部分に全く気づかなかった。気づかないうちに進行してしまう怖さを痛感した」と語っています。
このように、緑内障の無自覚な進行は実際の生活の中で大きな事故や怪我のリスクにもつながります。
早期発見のためにできること
緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要です。以下のポイントを意識しましょう。
定期的な眼科検診を受ける
特に40歳以上の方は年に一度は眼科で眼圧検査と視野検査を受けることをおすすめします。早期の視野異常を検出することが可能です。
家族歴がある場合は特に注意
緑内障は遺伝の影響も強いため、家族に緑内障患者がいる場合はより早期からの検診が望ましいです。
自宅でできる簡単なセルフチェック
- 片目ずつ指や物を動かして周辺視野を確認してみる。
- 見えにくい部分があるか、違和感がないか意識する。
ただし、自己判断は危険なため、変化を感じたら必ず専門医に相談しましょう。
緑内障患者の日常生活での工夫と対策
進行した緑内障でも、日常生活を安全に過ごすための工夫があります。
照明を明るくする
暗い場所は見えにくさを増すため、部屋や通路は十分に明るく保ちましょう。
家の中の危険を減らす
- つまずきやすいものは片付ける
- 滑り止めマットを使う
- 手すりを設置する
視野欠損を補う工夫
- 視野欠損のある側の情報を意識的に確認する
- ゆっくりと周囲を見回す癖をつける
運転の見直し
進行具合によっては運転を控える判断も重要です。医師と相談のうえ、安全第一で生活しましょう。
まとめ
緑内障は視野が徐々に欠けていく病気ですが、その進行は非常にゆっくりで自覚しにくいため、早期発見が難しいのが現状です。視野の欠損に気づかないまま進行すると、歩行時の転倒や交通事故など日常生活に深刻な影響を及ぼすことがあります。
そのため、40歳以上の方や家族歴のある方は定期的な眼科検査を受け、視野検査や眼圧測定を欠かさないことが重要です。また、緑内障と診断された場合は、生活環境の工夫や医師の指示に従った治療を継続することで、視野の悪化を遅らせ安全な生活を維持していくことが可能です。
目の健康は日常生活の安心にも直結します。ぜひ早めの検診とセルフケアを心がけてください。
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